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静脈内鎮静法

静脈内鎮静法とは

静脈内鎮静法は直接薬剤を静脈内に投与し鎮静を図る方法です。
静脈鎮静法の目的は笑気吸入鎮静法と同じですが、より鎮静度が強いのです。


静脈内鎮静法が必要な場合

  • 歯科小手術(多数歯、埋伏歯の抜歯、のう胞摘出手術、歯周外科手術)
  • 有病者(心臓・血管系疾患、内分泌系疾患など)
  • 心身障害者
  • ストレス過敏な方
  • 極度の歯科治療恐怖症
  • 嘔吐反射の過敏な方
  • リラックスを得て歯科治療を希望する方

静脈内鎮静の方法

静脈内鎮静の方法参考写真

鎮静剤を静脈内へ直接注射器から投与するか、点滴から点滴ラインを通して投与するか二通りあります。
薬剤の投与量は体重換算で決定します。


静脈内鎮静法の効果

直接静脈内へ鎮静薬剤を投与するので効果の発現が非常に早く治療開始までの時間が短縮できます。

治療中は意識があり、その時の受け答えができますが、治療終了の時点で何をしたのか覚えていない(健忘効果)があります。治療中はぼんやりしています。
しかし、吸入鎮静法と同様に痛みを伴う処置は局所麻酔が必要となりますが、治療終了後にいつ局所麻酔をしたのか覚えていません。


静脈内鎮静法の覚まし方(覚醒方法)

鎮静薬剤が直接体の血管に入るので、代謝されるまで覚めません。
よって鎮静剤の作用を打ち消す薬剤を投与する場合があります。
しかし、酩酊状態となっていることに否めないので、治療が終了してもしばらくは安静にし、2時間ほど当院で休んでいただきます。
覚醒を確認後、同伴者の方と一緒に帰宅し 、安全を考え、家でも安静にしていただきます。。


静脈内鎮静法が行えない人

同伴者のいない方、体力の衰えている方(入院が必要な方)、高齢者、注射・点滴を拒む方などです。


静脈内鎮静方法における注意点

静脈内鎮静方法は鎮静剤を直接静脈内に注射するので、薬剤が血管内に入るとそれを取り戻すことはでません。効果がなくなるまで待たなければなりません。
高齢の方は体内薬剤の代謝・分解能力が落ちているので、鎮静効果がより強く、長く続く場合があるので厳重な監視が必要です。
高齢でない方も覚めたと思っていても、高所作業など注意力を必要とする仕事はできればその日は避けた方がよいと思います。
自動車などの運転は鎮静剤が体内に少量でも残っている場合は酩酊状態になりうることがあり、交通事故の危険性も考えられます。
その理由から、静脈内鎮静法を行った場合は同伴者に付き添ってもらうことが大事です。
その日は仕事を休んで家でゆっくりするのが賢明です。